私が最も好きなアニメ「アレクサンダー戦記」。
そのうち、コンテンツは増やして行くとして、
今はひとまず、各回のオープニング・ナレーションを掲載。
- 第1話 「魔王誕生」
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しかしながら、プラトンに於ける4元素とアルケーには、
極めて 数学的な意味合いを含有している。
彼は、幾何学的調和を体現したその立体にこそ、
全ての宇宙原理を見出していたのである。
故に、その立体はプラトン立体と呼ばれている。
- 第2話 「陰謀の序曲」
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ヘラスとは、女神ヘラの大地を意味する。
混沌より生まれて、全てを呑み込む大地母神。
密儀の巫女でもあったアレクサンダーの母 オリュンピアスは、
まさしく ヘラの系譜に連なる者であった。
ヘレニズムとは、つまり そう言う事である。
- 第3話 「魔王邂逅」
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つまり、アリストテレスが作り上げた知の大系に於いては、
カオスは、秩序の欠如と見なす他 無かったのである。
プラトンは、彼がアカデメイアを去った時、
若駒が母親を蹴飛ばして出て行った と嘆いたと言う。
すなわち、人類史二千年以上に渡る悲劇は、
この瞬間から始まった。
- 第4話 「暗殺の音階」
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ところで、母の願いで父を殺したクロノスもまた、
息子に殺される事に怯えていたと言う。
ギリシャに於いては、家長の権限は絶対だったのだ。
だからこそ、神話はその始めから、
預言と父殺しが必要であった。
- 第5話 「狂える ソクラテス」
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哲学はアゴラから生まれた。
物や人が絶えず集まり、様々な言葉を交わす。
その中から生まれた 大いなる暇潰しの会話。
それが、ソクラテスの弁証法である。
だとすれば、テーベとアテネの運命を分けたのは、
他ならぬ、この違いであった。
- 第6話 「サモトラケの魔女」
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完全数なる概念がある。
ユークリッドの原論によると、最初のそれは6だと言う。
一方、ピタゴラス学派のそれは、点・線・平面・空間を全て内包するものであり、
その図形は、宇宙の調和と秩序を体現する 神聖な紋章とされた。
それがテトラクティスである。
- 第7話 「ゴルディオンのくびき」
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サモトラケ島の密儀の神 カベイロイは、一体何匹だったか?
神の調和と万物の4元素を同時に持ち、
月の周期との関連から、生命の死と再生をも司り、
長らく、惑星の個数として、天上の秩序をも担っていた その数。
そう、我々は今、ようやく7に辿り着いた。
- 第8話 「魔都彷徨」
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ディオニソスの建築家。
彼らはそう呼ばれていた。
ソロモン王が神殿を造る際に使ったと言う この古代の建築家たちは、
しかし一方で、ディオニソスの神の信奉者であり、
密儀によって秘伝を伝えた神秘主義者でもあった。
密儀と数学。
その2つを結ぶ鍵が そこにある。
- 第9話 「アモンの神託」
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ラファエロのアテナイの学堂。
その右隅に2人は居た。
1人は、地面にコンパスを回す 幾何学者。
そして、それに呼応して 背後で天球を持つ男。
彼こそ、東方の叡智 ゾロアスターであり、
幾何学者は勿論、かの原論の著者 ユークリッド。
- 第10話 「ガウガメラの死闘」
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アリストテレスの詩学は、
その後 長く、作劇法の普遍的理論として伝えられるが、
そこで理想とされるのは ホメロスである。
さて アレクサンダーは、英雄アキレスと比して、
自分にはホメロスが居ない と嘆いたと言う。
だが 当然、ここで我々も それになる気はない。
- 第11話 「ペルセポリス炎上」
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無理数とは、自然数の比で表せない数 無比なる数の事である。
万物は数である と言ったピタゴラス学派にとって、
無理数の存在は、教義を揺るがす大問題であった。
「比」は即ち「レイショー」は、ギリシャ語のロゴスに由来する。
つまり、無理数とは 言うべからざる物であり・・・・
- 第12話 「虐殺行」
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古代、時間を司る日時計は、特別な存在であった。
グノーモンとは、L字型の日時計を言い、
語源をグノーメ。
即ち、知識に同じくする。
ピタゴラス学派には、グノーモン数と呼ぶ 増殖する数の概念もある。
また、半円状の日時計をポロスと言うが、これは勿論 偶然の・・・・
- 第13話 「カタルシス」
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森 羅 万 象。
この、混沌と秩序の絶え間ない波動を、
あまねく記述しうる言語を、
我々は他に持っていようか?
そう、心の底から湧き起こる情念の渦が浄化され、
イデアへと至る 唯一の方法。
即ち、哲学とは数学であり、
数学だけが宇宙の心理である。