大宮・氷川神社 十日市 (2013年12月10日)

昨年は川越・氷川神社の「川越まつり」の模様をレポートしてみましたが、
いざ写真を撮ってみると、うまく写すのもなかなか難しいもので、そのリベンジとばかり、
今年は新しいカメラに買い替えて、大宮・氷川神社の「十日市」に行ってみました。

これは毎年12月10日に、神社の神事である「大湯祭」の本祭に合わせて行われる「酉の市」の事で、
参道や境内には数多くの屋台が並び、冬の風物詩として平日開催であっても大変賑わいます。
ちなみに、「十日市」と書いて「とおかまち」と読みます。

豪勢な山車が練り歩いた夏祭りの川越まつりと比べると、
こちらは正月を迎える前に、縁起物の熊手・正月飾り・神棚などを新調し、今年のを奉納する行事なので、
同じ氷川神社の祭りではあるとは言っても、その趣はかなり事なっていますね。
では早速、武蔵国一宮である大宮の氷川神社へ向かう事としましょう!!




日頃はあまり利用しないのですが、この日は「さいたま新都心駅」で下車。
今回は少し気合を入れて、駅前にある「一の鳥居」から、歩いて氷川神社へと向かう事とします。



「けやきひろば」と呼ばれる、駅前の高架デッキの方は、
クリスマスを前に、きれいに電飾されていて、
十日市の雰囲気とはまた違う、冬の色合いを演出してましたね。



さて、少し歩くと「さいたまスーパーアリーナ」と線路を挟んで反対側にある
氷川神社・一の鳥居に着いたのですが・・・・参拝客など誰一人いない(笑)。
前の2枚は、人の顔が出来るだけ写らないよう撮ったのですが、そんな配慮すら必要ありません。
少し明るめの街灯が整然と並んではいるのですが、鳥居自体を照らす光は特に無く、
「一の鳥居から行こう」と気合を入れ過ぎてた事に、遅ればせながら少し後悔しました。
(鳥居の前には「武蔵国一宮」と刻まれた大きな石碑があるのですが、暗すぎて上手く撮れず)



これがまだ昼間で、参道の並木も青々と生い茂る中を歩くなら気持ち良いのですが、
時期的に並木も紅葉どころか既に落葉しており、寒風が吹きぬける中をトボトボ歩く羽目に。
こうなると、全長2キロに及ぶ日本屈指の参道が、却って物哀しさを増長させましたね・・・・
参道の途中で、たまに祠や飲食店などがあるのが、せめてもの救いだったでしょうか?





こうして、寂しい参道をてくてくと歩く事、1キロあまり。
大通りと交差する地点まで辿り着いて、ようやく賑わいを感じられるようになりました。



ここは、大宮駅の東口からまっすぐ伸びる、駅前の大通りです。
この写真は、進行方向の左手側(西側)にある大宮駅を写したモノです。
とは言え、どの辺に駅があるかは、ちょっと解らない1枚になってしまいましたが・・・・



ちなみに、この駅前通りを越えると、参道は広くなり、
並木の内側は石畳が敷かれた歩行者用の道となり、自動車は並木の外側を通る事となります。
それまでは、歩道半分・車道半分(一方通行)という感じでした。
まあ、この日は祭りと言う事で、車道は通行止めとなり、そこへ屋台が出ていたので、
参拝客はそちらへと流れ、歩行者専用道の方はいつもと逆でガランとしてましたけどね。



で、参拝客の代わりという訳では無いですが、停められた自転車がズラリと並んでいました。
数百メートルに渡って両側に自転車が並ぶ光景と言うのも、ちょっと異様な感じで、
あまり見栄えが良いモノとは言えないものの、それはそれで非日常的で面白くもありました。
参道の幅が十分にあるので、通行自体にはあまり支障も無かったですしね。
まあこの一帯は、終戦直後にヤミ市が集まってた場所だそうなので、
こうした感じも歴史の記憶を呼び起こす・・・とまで言っては、言い過ぎでしょうか?(笑)





さて、そんな自転車並木の道を通り抜けると、再び大きな交差点にぶつかり、
その目の前には、巨大な「二の鳥居」が現れてきました。
通りの向こう側は、今までと比べモノにならない程の賑わいです!!



ここまで来ると、参道中央の歩道部分にも、その両側に露店が立ち並び、
細くなった道には神社へと向かう参拝客が集まるので、本当に人でごった返します。



それにしても、やはり大宮・氷川神社の二の鳥居は存在感が凄いですね!!
それもそのはず、これは「川越まつり」の時にも書きましたが、
この鳥居の高さは13メートルもあり、明治神宮の大鳥居(12メートル)をも上回り、
川越・氷川神社の大鳥居(15メートル)に次いで、関東では2番目に大きい木造の鳥居だそうです。



その上、川越のモノに比べると、柱の太さが2回りくらい違うんですよね。
「なぜ、これ程までに立派な材木がここ大宮に?」と思い、以前調べてみた所、
明治神宮が創建された際の大鳥居が、後に落雷に遭って破損し、氷川神社へと移築されたとの事でした。
戦前の一大国家事業ともなれば、千数百年級の木材を手に入れられた事に納得する一方で、
それだけのモノを譲り受けられる「武蔵国一宮」の格の高さも、知った際には思い知らされました。
「大宮(=大いなる宮・氷川神社)の名前は伊達じゃ無い」って所なのでしょうか?(笑)





さあ、ここまで来れば、目指す氷川神社の境内(三の鳥居)までは500メートルです。
新都心から始まった2キロの長い参道も、ようやく4分の3を過ぎた訳ですね。



これより先は人・人・人の大渋滞で、なかなか前には進めませんけど、
こうした賑わいこそ、いかにも「祭り」って感じですね!!
一の鳥居あたりは、さすがに閑散とし過ぎてましたので(笑)。



ただ、最初の内こそ、そうした物凄い雑踏もイベント的に楽しめたのですが、
それが30分以上も続くなると、正直な所ちょっとグッタリとして来ます。
実際の所、人影がまばらだった、一の鳥居から二の鳥居までの1500メートルよりも、
参拝客だらけでギュウギュウ詰めな、二の鳥居から三の鳥居までの500メートルの方が、
時間としては、確実に長く掛かってましたからねえ・・・・



とは言え、そんな混雑の中で立派な「福熊手」が行き来したりすると、元気を取り戻せます。
こうした光景は初詣の時には見られないので、これもこの祭り独特の効果なんでしょうね(笑)。
そもそも十日市は、今年飾った熊手を奉納し、来年の熊手を新調する行事ですし。
ちなみに買い替える熊手は、奉納した前年のモノより大きくした方が、より福が来るとされています。




三の鳥居まで達っして神社に到着すれば、露店に挟まれて細くなった参道も終わり、
その先の境内へと進むと、人は多くてもスペースはあるので、とても歩きやすくなります。
そしてそれ以上に、食べ物やゲームなどの露店が並んでいた参道と違い、
境内では縁起物や神棚などの露店が並んでいるので、鳥居を境に雰囲気が一気に変わります。



見上げる高さにまで並べられた福熊手に、売り子たちの威勢の良い声。
更に、熊手が売れると、「商売繁盛!」の掛け声と共に流れる三本締めの小気味良い音。
いや〜、氷川神社の中に入ると、実に祭りらしい特別な雰囲気がありますねえ(笑)。
初詣の時にはこれ以上に人でごった返す(全国9位)のですが、非日常的な感じは十日市の方が上!!



視界を埋め尽くすかのように並ぶ福熊手を撮ると、こんな感じで、


その福熊手を更にアップして見てみると、とても豪華な作りです。


ちなみに、振り返って境内から三の鳥居を見ると、こんな感じ。


新しいカメラに買い替えて、パノラマ撮影も出来るようになったので、
せっかくですから、その新機能も使ってみる事にします。(笑)
これなら十日市の賑わいが、より伝わりますかねえ?



・・・って、やはり場の雰囲気を伝えるのであれば、動画に勝るものはありません。
という事で、今回も短めながら動画を公開してみますね。
ちょうど、どこかの会社が福熊手を買っていたので、なかなか良い場面が撮れました(笑)。
まあ私の腕の方は別として、川越まつりの時に比べれば断然綺麗に撮れており、
近年におけるデジタル機器の急速な性能アップを、肌で如実に実感させられました。





ではそろそろ、氷川神社の拝殿へと向かいましょうかねえ。
でも、まずはその前に、神池に浮かぶ小島にある「宗像神社」へ参拝。



そして再び熊手が並ぶ露店の中を通り、神池に架かる太鼓橋を渡って拝殿の方へ!!
橋に近づけば、常緑樹の合間から次第に「楼門」が覗き出します。
フラッシュを焚いて撮ったので、夜ですが思った以上に緑色が出てますね。
(他の写真はほとんどフラッシュを使わず撮ってますが、光の感じは上手く写せませんでした)



ちなみに、小高くなってる太鼓橋の上から露店の方を撮ると、こんな感じです。
少し見落とせる事で、その賑わいっぷりがよく解りますね。



さて、その太鼓橋を渡り切ると、樹木の茂みも無くなってスペースが広がると、
そこに氷川神社の壮大な楼門が、目の前にその全貌が姿を現します。



間近で見ると、かなり立派で存在感のある門ですねえ。
日頃は日没して暗くなると、神社が閉まって入れなくなるので、
ライトアップされた夜の氷川神社を楽しめるのは、十日市や初詣など特別な日に限られます。





さあ、それでは門をくぐって中に入ってみましょう。


まず正面に見えて来るのが「舞殿」です。
その周りには、立派な大木が何本も聳え立っています。



その舞殿を右手側に見ながら、拝殿に向かって時計回りに進む訳ですが、
その時に左手側に見えるのが、楼門から伸びる本殿などを四角く囲う回廊で、
写真の右奥には暖簾が掛かった扉が見えるのが「祓殿」です。
私も中を見た事はありませんが、文字通り、お祓いをしてもらう場所ですね。



そして、その舞殿の奥に建っているのが「拝殿」です。
本来であれば、前まで行って拝んだ方が良いのでしょうけど、
あまりに参拝者でごった返していたので、今日は遠くから拝んで終わりにしました。
何かこの日は、ここまで辿り着くだけで疲れ切ってしまったので(笑)。



その代わりにと言っては変ですが、拝殿と舞殿の2ショット写真を1枚。


ここで最後に、パノラマ機能を使って周囲の全景を撮影すると、こんな感じですね。
まずは左端に写る南向きの「楼門」から入り、「舞殿」を時計回りに回って、「祓殿」の前を通り、
「拝殿」の前で二拝二拍手一拝した後、ひと際明るい右側の「神札授与所」でお守りを買ったら、
かろうじて右端に写っている「東門」の方から出ます。
ちなみに私は以前、ちょうどこの場所で財布を落とした事があるのですが、
その財布は出て来る事はありませんので、御利益があるのかは解りません(笑)。





東門から出ると、目の前に「ひょうたん池」と呼ばれる細長い池があり、
その池越しから見える露店群が、水面に映り込んで綺麗でした。



この池沿いの細道は、行きに通った参道とは反対側に、大宮公園へと伸びています。
明治維新によって国有地にされる前は、大宮公園も氷川神社の敷地の一部でしたからねえ。
ちなみに大宮公園の方にも、参道と同じく食べ物やゲームの露店が数多く出てましたが、
雰囲気としては参道の時とあまり変わらないので、こちらは写真に収めませんでした。



代わりに、ひょうたん池が終わると見えて来る「NACK5スタジアム」の外観を1枚。
Jリーグ・大宮アルディージャのホーム・スタジアムである一方、
実は日本で最初の専用サッカー場であり、古くはペレやマラドーナがプレーをしたり、
また漫画の世界でも、キャプテン翼の全国大会がここで開催されたりしました(笑)。
ちなみに、こちらの露店は花や鉢植えなど、正月用の飾り物が多く並んでいましたね。






以上、需要なんてきっと無かったでしょうけども(笑)、
気晴らしで寄って来た、大宮・氷川神社の「十日市」のレポートを終わります。
まあ、1年に1度カメラを使うかどうかの私の写真では、構図とか以前の問題でしょうが、
十日市の雰囲気を、少しでも感じてもらう事が出来ていれば幸いです。



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